JP−A−A13  中級編 Aグループ 旧約聖書概論 (13) 幕屋と神殿
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聖書箇所(出エジプト記37章〜47章)
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旧約の時代モーセによって「幕屋」が礼拝の場所として建造されました。これは分解できる移動式の宮で、それから480年たった後(第1列王記6:1)、その様式はソロモン王が建造した神殿に引き継がれています。
これは別名「会見の天幕」とも呼ばれており、神と出会う場所です。
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出エジプト記にはその構造、様式について詳しい記述があります。そのようなことは今日の私たちの信仰生活には関係がなさそうですが、それら一つ一つには霊的な意味があり、それを学ぶことによって豊かな霊的食物を得ることができます。
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その構造はイエスキリストを表しており、また、真の礼拝について私たちに教えるからです。すべてのことは説明できませんが、興味のある方はキリスト教関係の図書で調べることをお勧めします。
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構造のポイント
幕屋は三重の構造です。中心部を「至聖所」、その外を「聖所」、さらに外側を「庭」と呼んでいます。
礼拝は東の門から入り、庭を通って、聖所(建物)の中に入ります。その聖所の奥に至聖所があるのです。
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庭には全焼のいけにえを捧げる場所があります。これは祭壇と呼ばれています。祭壇というと何かひな壇のようにそれに向かって拝む場所を想像するかもしれませんが、これは巨大なバーベキューコンロです。
次に、聖めの為の洗盤と呼ばれる場所があります。大きな水ためできよめの儀式を行うのです。
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儀式の種類によってやり方は異なりますが、もっとも代表的なものとしては、
まず、動物をいけにえを捧げ、血が流され、体が焼かれます。それから洗盤できよめのときを持ちます。
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聖所
聖所の中には「机」「パン」「燭台」があります。
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その奥に至聖所があるのですが、聖所と至聖所の間には厚さが10cm前後の分厚い垂れ幕があります。その奥に入ることができるのは大祭司だけで、しかもそれは1年に一回だけです。
彼はいけにえの血を携えてでなければ中に入ることはできません。
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至聖所には契約の箱といわれる、神輿のようなかつぎ上げる事ができる箱があります。これは黄金で覆われており、その中には「契約が書かれた石」「マナが入ったつぼ」「芽を出したアロンの杖」が入っています。
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これらにはそれぞれ意味があります。
机           交わり   
パン       御言葉    「人はパンによって生きるのではなく、神の言葉による」(マタイ4:4)
燭台       聖霊       (燭台に油があり、油は聖霊の象徴なので)
契約が書かれた石                            神の律法                          モーセがシナイ山で受け取った(出34:1)
マナが入ったつぼ                            霊的食物                            荒野時代に天から降ってきた(出16:31)
アロンの杖                         権威                     コラの反逆のおり、主がアロンの権威を示した。(民17:8)
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これらの象徴的な意味がわかれば、幕屋の本質は私たちの信仰生活に適応できることがわかります。
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多くの教師がこの構造を信仰生活に適応しようと教えておりますが、20世紀で代表的なのは次の二つです。
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■賛美礼拝としての幕屋の構造
私たちの教会のような賛美は「プレイズ&ワーシップ」(賛美と礼拝)スタイルと呼ばれています。すなわち、曲調を「賛美」=にぎやかな曲と「礼拝」=静かで深く神と交わること。に分けて考えます。
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そのスタイルは第2歴代誌29章28節の言葉にも表れています。「全集団は伏し拝み、歌うたいは歌い、ラッパ手はラッパを吹き鳴らした。これらはみな、全焼のいけにえが終わるまで、続いた。 29:29 ささげ終わると、王および彼とともにいたすべての者はひざをかがめ、伏し拝んだ。」
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にぎやかな賛美の中で賛美のいけにえを捧げ、その後ひざをかがめ深い礼拝に入っていくのです。
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1)感謝によって庭の門から庭に入ります。(詩篇100:4)
              詩篇100:4 感謝しつつ主の門に、賛美しつつその大庭に入れ。主に感謝し御名をほめたたえよ。
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2)喜べない時にも喜ぶ
              (詩篇27:6)私は、その幕屋で、喜びのいけにえをささげ、歌うたい、主に、ほめ歌を歌おう。
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3)時が良くても悪くても、賛美する
              動物のいけにえでなく「賛美のいけにえ」(ヘブル13:15)をまず捧げます。
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4)体を使って賛美を表現する
              ローマ12章1節に「あなたがたのからだを、神に受け入れられる、聖い、生きた供え物としてささげなさい。」とありますので、踊りをもって体で表現するのも良いでしょう。
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5) 洗盤(省略)下の祈りをご覧ください。
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6) 御言葉(パン)
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7)交わり(机)
              ここでの交わりは、特に神との交わりです。私達は神様と人格的な交わりを個人的に持つことができるのです。
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8)霊の賛美など(燭台=聖霊)
              礼拝の中で霊の賛美を歌ったりします。
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9)至聖所の中に入る=神の最も深い臨在
              実際には新約時代の概念では「至聖所と聖所」はひとつとなり、隔ての垂れ幕はもうありません。キリストが死んだときに神殿の垂れ幕が裂けたからです。(ルカ23:45)
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■幕屋の構造を用いた祈り
この幕屋の構造を用いて祈りを組み立てることができます。ラリー リー師は「1時間でも祈っていることができない のですか?」という著書を書いております。
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1) いけにえ=    祈るには犠牲が伴います。朝早く起きたり、祈りたくないときにも祈ること。
2)洗盤= 水に映し出し自分を省みること。祈る前に、罪の告白、赦し、神との和解などをする。
3)パン= 御言葉(マタイ4:4)を読む。朗読する。思い巡らす。
4)燭台=           異言で祈る
5)杖=                            権威を行使して、敵の仕業を縛ったり、人々を解放する祈り。(注1)
6)マナのつぼ=              隠れた霊的食物(黙示録2:17)
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(注1)権威を行使する祈りとは
(マタイ18:18) まことに、あなたがたに告げます。何でもあなたがたが地上でつなぐなら、それは天においてもつながれており、あなたがたが地上で解くなら、それは天においても解かれているのです。
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この御言葉にあるように、私たちは、地上で宣言したことが霊の世界で実現します。
ですから、私たちの祈りは「神様〜してください」というような祈りではなく、直接的の仕業に対して「サタンよ出て行け!」「病よいやされよ!」と祈ることができるのです。